何事もほどほどに

  • 2020.02.19 Wednesday
  • 11:00

私は特に信心深い方ではないのですが、学生時代仏教という教科がありまして、大体寝ていたのですが(ごめんなさい)一つ印象的なエピソードがありまして。そちら関係の方がご覧になられましたら怒られそうなくらい色んなことを割愛して書かせて頂くのですが大雑把に言いますとおしゃかさまが山籠もりして断食をするのですが「これには意味がない!」と悟りを開いて山をおりるエピソードです(本当に大雑把すぎてごめんなさい)

何事もほどほどに…

 

というのは全ての物事に当てはまるのですが(死について考えないのも愚かだが考えすぎても愚かみたいなやつ)。

創作的にも当てはまるなと思い、さらにこれを読解力の観点から考えてみました。読解力の定義についてはあまり深く突っ込まないで下さい…

 

ツンデレを例に出します(突然)

 

「あ、あんたなんか嫌いなんだからぁ!」

とヒロインは顔を赤らめて叫んだ。

 

場合、ヒロインは

1.相手のことが好き

2.相手のことが嫌い

3.これだけではどちらかわからない

 

おおまかに予想される3つの答えを仮定し、さらにその根拠をおおまかに予想します。

 

1の場合

顔を赤らめ、照れてどもりながら「嫌い」と叫ぶ…ははぁ素直になれずつい逆のことを言ってしまったんだな!

 

その素直になれないヒロインが可愛いのか可愛くないのか、好きか嫌いかは置いといて、これが一般的解釈かと思います(一般的の定義についても突っ込まないで以下略)。この解釈に至るには、実は想像力、読解力、自身の経験が必要です。これは例なのでごく短いものですが、それでもなんとなく想像できるのはテンプレなツンデレだからですね。これも経験の一種ですが、このセリフを向ける相手への好意を感じ取れる描写がもっとたくさんあって、だけどヒロインは素直でないというキャラ付けをされた上でこういうシーンに至るという作品があり、それを読んだ経験からこのセリフを補完できるためでしょう。

読解力は、直接書かれていないことからどれだけ読み取れるかという力のこともあると思うのですが、それには想像力も不可欠です。本当に嫌いならば「あ、あんたなんて…」とかどもることはないだろうとか。何故顔を赤らめるのか、とか。本人が「嫌い」と言っていることをその他の要素によって否定するのは紛れもなく想像であり、また、このあとヒロインによって「実は本当にあんたが嫌いだった」という断定がなければあくまで「ヒロインが相手に好意を持っている」というのは想像上のことでしかありません。

 

2の場合

ヒロインが「嫌い」と言っているのだから嫌いなんだろう。

 

素直な取り方です。解説の余地もありません。

しかし「だったらなぜ顔を赤らめているんだ!」と問われると、そんなものはわかりません。多少想像力があるなら「顔が赤くなるほど怒っているんだろう」と答える余地はありますね。例に書いただけの文章なら間違っていると断定もできません。

 

3の場合

ぐうの音も出ないほどの正論です。解説の余地が全くありません。

 

実は、大多数が1を選ぶだろう(あえて違うものを選びたくなる天邪鬼さんを除外すればですよ)と仮定しておきながら、1が一番そう思う根拠について説明するのに文字数が必要なんですね…書いてみて思いました。

なのになぜ1が多いと思うのか、それは人は文字で物語を読むときある程度の読解力や想像力を働かせながら読み、そしてそれが読書の楽しさだと思うからです。

そして、この答えに正解などありません。もしかしたら第4、第5の正解もあるかもしれません。仮にそれでも正解を付与するなら2パターンあり、

 

A・筆者の断定

B・読者の大多数が予測したもの

 

Bについてはさらに細分化されます。たとえば現国の問題を作るような文章慣れした人が出した答えと、フラットな視点で見た大多数の人が出した答え…など。

 

でもやっぱり真の正解と言えるものはAであり、例えばこれまでの描写でどれだけ相手のことが好きだと取れるシーンが語られようが筆者が「ヒロインは本当は相手のことが大嫌いだった」という一文を書けば覆るからです。

しかしこれは読者にとんでもないフラストレーションを与えます。何かのシナリオが炎上している場合、大体これだと思います。

だからあえてBの正解を記述しました。私はBも正解だと思います。

 

さて少し話が逸れたのですが、最初の1〜3の答えに正誤はありません。しかし語弊を恐れずに言うなら、素直に受け取るなら1が答えになるんじゃないかと思います。その1の答えに辿り着くのに必要なのが、ほどほどの読解力です。なければ2に、行き過ぎれば3(もしくは4や5)になるかなと。

それは人の感性ですから優劣はありませんけれども。

そして大多数の創作物が、ほどほどの読解力を期待して記述されます。2・3の答えを選ぶ人は恐らく人気商業作品は面白くないんじゃないかと思います(もちろん断定はできませんよ!)。もうひとつ言うと、1の答えを選ぶけれど2・3の答えを期待する人も一般的に人気の作品は面白くないと思います。理由は「ありきたりだから」です。

 

ところが今逆転現象が起こっていて、1はありきたりすぎるからとそれ以外の答えに辿り着く作品にもスポットが当たり始めました。そうすると捻っていない答えが面白くもなってくる。

こうして考えると、SNSの台頭によってテンプレ化していると思われる創作物ですが、実は多様化しているとも考えられますね。

 

少し付け加えると、「1」を期待させておいて「1以外の答え」を提示するのが叙述トリックだと思います。しかしこれには非常に高いセンスと筆力が要ります。下手をすると前述の読者のフラストレーションに繋がりかねないのです。

 

「1」を予想させておいて「1」であるという物語が一番つまならいのですが一番面白いというのが私の見解なんですが、酷い矛盾をはらんでいます。

 

つまり…答えなんてないのです!!

 

 

 

何事もほどほどに。

 

 

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